
「自力で抜根して少しでも伐採費用を節約したい!」
「自力で抜根できるだろうか?」
そのようにお考えではありませんか?
抜根は道具と根気があれば誰でもできます。伐採と違って木が倒れてきたり、切り落とした枝がぶつかったりする危険がないからです。高度な技術も不要なので、プロの庭師じゃない初心者の方でも挑戦できます。
この記事では主に以下のことを解説しています。
- 抜根でおすすめの道具
- 抜根の手順
- 抜根後の切り株の処分方法
- どうしても無理な場合の対処法
最後までご覧いただければ、自力で抜根するために必要な情報がすべて手に入ります。伐採費用の節約にぜひお役立てください。
抜根に必要な2つの道具をそろえる
抜根に最低限必要な道具はたったの2つです。2つ合わせても3,000円ほどで購入できるので、業者に依頼するより1万円以上安く抜根することもできます。
切り株周りの土を掘るショベル
切り株を抜く前に土を掘る必要があるのでショベルを準備しましょう。
ショベルのなかでも、先がとがっている剣型なら固い土も掘りやすいのでおすすめです。四角い角型は多くの土を運ぶのに適していますが、土を掘りにくいので剣型を選びましょう。
おすすめのショベル「ガーデンフレンズ スチールパイプ柄ショベル 剣型」
価格 | 1,190円(2021年11月4日時点) |
スタイル | 剣型 |
重量 | 1.57kg |
剣型で耐久性が高いスチール製。完全熱処理加工済みで刃先が強くなっています。2,000円以上のショベルが多いですが、1,190円という低価格もメリットです。
切り株の根を切るノコギリ
切り株からは地中に根が張り巡らされているので、そのままでは根が邪魔で抜けません。そのため根を切るノコギリが必要です。
ノコギリは剪定に使われるものと同じ種類で問題ありませんが、土ごと根を切ると切れ味が落ちてしまうので抜根用と剪定用のノコギリは別でそろえましょう。
おすすめのノコギリ「ユーエム工業(Silky) ゴムボーイ 万能目 210mm 121-21」
価格 | 1,924円(2021年11月4日時点) |
刃の長さ | 210mm |
重量 | 295g |
おすすめの太さ | 直径約3~6cmの生木 |
ショベルでは根切りできないような太い根の切断に役立ちます。折込タイプでクリアケース付きなので使わないときも邪魔になりません。刃の切れ味が落ちても刃だけ交換することもできます。
これら以外にも道具を充実させて抜根に臨みたいという方は「便利な抜根の道具9選!邪魔な庭木の切り株を最小限の労力で撤去する活用法」もご覧ください。
基本的な抜根の手順
ショベルとノコギリを手に入れたら、いよいよ抜根の開始です。汚れてもいい服に着替えて、順序どおりに進めていきましょう。
- 切り株の周囲の土を掘る
- 土に張られた根を切る
- 切り株を揺らして抜く
1.切り株の周囲の土を掘る
切り株の周りの地面を掘って根を露出させます。土を掘るときは切り株から幹の直径の倍ほど離れた位置から掘り始めます。根は幹の約3倍伸びますが、2倍の位置ならショベルで根を切ることができるからです。

切り株を囲って円を描くように掘り進めます。幹に向かって突き刺すと根にぶつかりやすくなるからです。根の全体像が見えるまで掘り続けましょう。

根に土がまとわりついていると根切りが難しくなります。手やショベルの先、持っていれば高圧洗浄機などで土を落としましょう。
2.土に張られた根を切る
土を掘って根が露出したら太い根はノコギリで、細い根はショベルで根切りをしましょう。ただしすべての根を切るのは難しいので、抜根の邪魔になる太い根から切ってください。地中に残された根はやがて枯れるので回収する必要はありません。
3.切り株を揺らして抜く
ある程度根を切ったら、切り株の地上の部分を力いっぱい揺らしましょう。または切り株の下にショベルを差し込んで柄の先端に体重を乗せ、てこの原理を利用して持ち上げます。

それでも抜けない場合、根切りが不十分かもしれません。揺らすことで抜根を邪魔する根の位置がわかるはずなので、根切りと揺らしを抜けるまで繰り返します。

抜根後の4つの処分方法
自力で抜根することに成功したら、その後の処分も挑戦してみましょう。処分だけを不用品回収業者に依頼することもできますが、自分で処分すればさらに節約につながります。
ここでは例として茨城県水戸市での処分方法(※)についても簡単にご紹介していきます。
※最終閲覧日:2021年11月2日
処分方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
可燃ごみとして捨てる | ほぼ無料で処分できる | 小さくまとめる必要がある |
粗大ごみとして捨てる | ある程度の大きさまで回収してもらえる | 有料のうえに収集日が限られている |
ごみ処理施設に持ち込む | 大きいままでも処分できる | ごみの量が多いと搬入が大変 |
不用品回収業者に引き取ってもらう | 楽に処分できる | 他の処分方法より高額 |
燃えるごみとして処分する
一定の大きさ以内なら、木の枝や根は燃えるごみとして処分できます。必要なものはごみ袋だけなので、他の方法と比べて格安で処分することができます。
水戸市の場合、木の枝・幹・根などは「長さ1メートル以内、太さ5センチ以下は燃えるごみ」と区分されています。剪定師粉砕機の無料貸し出しをおこなっているので、剪定枝は簡単に細かくすることができます。ただし注意点として上記の大きさを上回る場合は収集不可となります。
粗大ごみとして処分する
小さくすることができない場合は、大きいまま粗大ごみとして収集してもらうことができます。粗大ごみは種類や大きさによって処理の手数料が異なりますが、1つにつきおおむね500~1,000円になります。
水戸市の場合、前述のように大きな木のごみは収集してもらえません。ただし剪定枝の場合、1本の大きさが「長さ1メートル以内、太さ5センチ以下」を満たせば、片手で持てる程度の太さ(直径30cm程度)にまとめれば処理券を貼って収集してもらえます。
- コールセンターに電話して申し込む
- 粗大ごみ処理券を購入する
- 受付番号と名前を処理券に記入し、粗大ごみの見やすいところに貼る
- 収集日の午前8時までに敷地内の道路に面した場所にごみを出す
ごみ処理施設に搬入する
上記の2つの方法で収集してもらえない場合、自力でごみ処理施設に搬入する方法があります。粗大ごみと比べて処理費用は安く済みますが、自分で搬入するので面倒です。
水戸市の場合、処理手数料は10kgにつき130円。搬入場所の水戸市清掃工場「えこみっと」は日曜日と年末年始以外なら営業しています。
不用品回収業者に処分してもらう
伐採業者は処分だけの依頼を受け付けていないことが多いですが、不用品回収業者なら対応できます。
不用品回収業者なら、大量の剪定枝や根などのごみが発生しても処分をすべて任せられます。ただし他の処分方法と比べて高額なので、庭木数本の抜根程度では割高になり「最初から伐採業者にすべて任せればよかった」となるかもしれません。
抜くのが難しい切り株を楽に抜く方法
ここまで基本的な抜根方法をご紹介しましたが、その方法では抜けないほど厄介な切り株があるかもしれません。
「どうしても自力で抜きたい!」という方のために、一歩踏み込んだ抜根方法をご紹介していきます。ただしそれぞれデメリットがあるので、「自分でやるには大仕事だ……」「そこまで自力にこだわりたくない」と感じた場合は業者に依頼することをおすすめします。
抜根方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
切り株を枯らす | 時間をかければ簡単に抜根できる | 枯れるまで何カ月もかかる |
チェーンブロックを使う | 大きな切り株も楽に抜ける | 道具が高額かつかさばる |
切り株を枯らせて抜きやすくする
除草剤を切り株の内部に注入し、弱らせてから抜根する方法です。
- 切り株の側面にドリルで穴を複数開ける
- スポイトなどで除草剤の減益を注入する
- 除草剤が流れ出ないように穴をガムテープなどでふさぐ
- ブルーシートなどをかぶせて保護する
枯れたら通常の方法で抜根します。ただし枯れるまでに数カ月~数年かかることがあるので、早く抜根したい方にはおすすめできません。
チェーンブロックを使う
チェーンブロックとはチェーン(鎖)とブロック(滑車)を組み合わせた道具で、滑車の原理を利用して重いものを持ち上げたり引き抜いたりすることができます。
私用する際はチェーンブロックだけでなく、設置するための三脚ヘッド・単管パイプ(もしくは木材)・玉掛けワイヤーが必要です。
▼象印チェンブロック C21型チェーンブロック C2101025
価格 | 11,683円(2021年11月4日時点) |
荷重 | 1t |
揚程 | 2.5m |
重量 | 9.2kg |
▼タコマン 三脚ヘッド 許容荷重1T TS-10
価格 | 6,660円(2021年11月4日時点) |
荷重 | 1t |
揚程 | 直径42~78mm |
重量 | 4.2kg |
- 切り株が中心に来るように三脚を設置する
- 三脚にチェーンブロックを取り付ける
- 玉掛けワイヤーを切り株に巻く
- ワイヤーの先にチェーンブロックのフックを引っかける
- チェーンを引っ張って巻き上げる
この方法の欠点はお金がかかることです。必要な道具をそろえるだけでも2万円以上の出費が発生するので、ノコギリとショベルの抜根の約10倍です。切り株の大きさにもよりますが、伐採業者に依頼するよりも高額になることがあります。
そのため「抜根する切り株が何本もある」「業者の相場より安く済む」という場合以外はおすすめしません。
どうしても無理な場合は業者に依頼する
ここまで基本的な抜根方法と、除草剤やチェーンブロックを利用する抜根方法をご紹介してきました。
しかし「どの方法も自分には難しそうだ」「お金がかかっても早く抜根したい」という場合は業者に依頼するのがおすすめです。伐採業者は伐採から処分まですべて任せることができますが、抜根だけ依頼することもできるのでご安心ください。
業者の抜根費用相場は約1万~5万円
依頼する前に気になるのが費用ですが、その相場は約1万~5万円です。相場の幅が大きいのは切り株が太いほど高額になるからです。
伐採業者5社のホームページから、処分を含めた抜根費用を集計して表にまとめました。庭木の抜根がいくらになるのか、自分で見積もりを立てる際にお役立てください。
幹回り | 処分を含めた抜根費用の相場 |
---|---|
~15cm | 11,280円 |
16~30cm | 16,525円 |
31~45cm | 32,375円 |
46~80cm | 41,760円 |
81cm~ | 50,160円 |
参考にした業者「くらしのマーケット・オコマリ・smileガーデン・ファームガーデン・伐採屋解決本舗」(最終閲覧日:2021年10月1日)
安心して任せられる業者の見極め方
初めて伐採業者に依頼する方は不安かもしれませんので、業者の見極め方をご紹介します。実際に作業してもらう前でもさまざまな情報を手に入れることができるので、それらを基に業者を選びましょう。
- 伐採やお庭の専門業者である
- 対応が丁寧で親切
- 好意的な口コミが多い
- ホームページがあり頻繁に更新されている
- 無料で現地調査や見積りをしてくれる
- 初心者の方にもわかりやすい見積書を作成してくれる
- 庭木1本からでも対応してくれる
お庭110番にお庭のお悩みをまとめてご相談ください
抜根費用の相場と業者の見極め方をご紹介しましたが、「業者に正確な見積りを立ててほしい」「いくつもある業者から探すのは面倒」という場合は、当サイト【お庭110番】にご相談ください。
ご相談いただければ、ご依頼内容に対応できるお近くの業者をご紹介いたします。現地調査・お見積りは無料(※)なので、まずは見積りからという方もお気軽にご依頼いただけます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様の了承をいただいた上で、調査費用等をいただく場合がございます。
また、お庭110番はお庭に関するさまざまなご相談を受け付けています。「ついでに庭木の剪定を依頼したい」「抜根後の土地に芝張りや砂利敷きを依頼したい」というご相談もお気軽にお申し付けください。
自力で抜根する際のよくある質問
ここからは自力で抜根する際によくある質問と、その回答をご紹介していきます。自分も同じ疑問にぶつかる可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
抜根はいつやるべきか?
抜根はいつおこなっても大丈夫です。ただし切り株が枯れるとシロアリの巣になるおそれがあるので、伐採後はなるべく早く抜根も済ませるのがおすすめです。
自力で抜根できそうにない切り株は放置してもいいか?
切り株の放置はやめましょう。なぜなら多くのデメリットがあるからです。
- 枯れるとシロアリの巣になるおそれがある
- つまずいて転ぶおそれがある
- 枯れて土に吸収されると空洞が残される
- 庭の見栄えが悪くなる
- 切り株が残された土地の再利用が難しくなる
このような理由から、自力で抜根できない切り株は業者に依頼してでも取り除きましょう。
抜根のために重機をレンタルできるのか?
業者ではなくても重機のレンタルは可能です。ただし、多くの理由から重機を使って自力で抜根するのはおすすめしません。
- 1日のレンタル費用が数万円に達することがある
- 重機の種類によって免許・資格が必要になる
- 講習の受講に時間とお金が必要になる
自力で抜根できても、重機使用のために時間やお金の消費が多くては本末転倒です。重機を使わないと抜けないような大きな切り株は、無理せず業者に依頼しましょう。